top of page

動物福祉

(PCでの閲覧を推奨します)

家族として暮らす「ペット」、見たことのない世界を感じ、動物を通じて学ぶ場所「動物園」、私たちの食や健康を考える上でも重要な「畜産」、そして人と共に地球で生きる「野生動物」。私たちの周りにはいろいろな環境で生きる動物たちがいます。

それら​全ての動物の環境を豊かにするための行動が動物福祉です

灰色の猫

動物園の社会的機能の充足化に向けて

​動物園は住民と動物をつなぐ(カギ)

動物園・水族館の役割

日本動物園水族館協会(JAZA)を含む世界の主要な動物園水族館が加盟する世界動物園水族館協会(WAZA)は、動物園の存在意義(目的)として「種の保存」「教育・環境教育」「調査・研究」「レクリエーション」の4つを掲げています。この4つはどれかが突出したものではなく、それぞれ全てが本来果たすべき社会的役割です。

 しかし日本においてこれらが十分達成できているかと問われた場合、残念ながら「いいえ」と答えざるを得ません。現在の日本の動物園・水族館(園館)の多くは4つの目的のうちレクリエーションに特化し、他の3つ、特に研究や教育については園館として独立して役割を遂行することは難しい状況です。また、種の保存については国内外との連携のもとで進められる必要があり他の3項目とは区別して議論すべき点です。

 このような状況は日本の動物園・水族館の置かれた状況を考えれば当然の結果と言えます。海外の、といっても状況は様々ですが、少なくとも日本の多くの園館よりも4つの役割が十分機能している他国では、人的・金銭的余裕はもちろん、園館の役割に対する社会的な認知度も高く、その結果、4つの役割に対してそれぞれに専任の職員が配置され、各自の役割に集中することが可能となっています。しかし日本の場合は、職員(飼育員)の職務は担当動物の管理を中心とし、その上でレクリエーション、調査・研究、種の保存の全てを引き受けなければなりません。さらに、動物園や水族館は楽しむものという住民の意識が強く、また経済的な観点からもレクリエーションに重心を傾けなければ経営自体が難しいという園館も少なくないでしょう。

 

ここで、動物園・水族館の果たすべき4つの社会的・科学的意義をまとめます。

「種の保存」

動物の数が少なくなると野生での繁殖が難しくなります。動物園や水族館では、そういった動物の血統や園館の環境を十分精査したのちに計画的に繁殖を促し、いずれは野生に還元できるよう努めます。

「調査・研究」

野生動物の現状を理解し、今後の変化を予測するためには調査と研究が必要です。また調査や研究の結果からその動物本来の行動や特徴が明らかとなり、飼育下の動物を管理する最適な方法を知ることができます。飼育動物は野生動物よりもはるかに長生きであることが多いのはその成果のひとつです。

「教育・環境教育」

調査や研究によって得られた知識(野生動物の現状・生態など)をわかりやすく伝え、広く普及させます。私たちの生活と野生動物が実は密接に関わっていることを伝えることは未来の自然や動物たちを守ることにつながります。

「レクリエーション」

楽しむことから動物園・水族館を知り、自然と私たちの生活圏の外の多種多様な生き物の存在を認知することを促します。また普段接点のない生き物と触れ合うことで自分よりも小さな命を守る意識を芽生えさせることができます。楽しいをスタートとして教育へとつながる重要な項目です。

説明イメージ動物福祉・補足.jpg

スタートは身の回りの
動物から守ること

野生動物

保護動物の
殺処分を減らすには

-keywords-
#猫アレルギー
#飼いたくても飼えない理由
#人気の猫


 

まず初めに、愛媛県は保護動物(主に猫)の殺処分数が全国でもトップクラスであり、社会問題の一つです。

ただし、本題の前に一点だけしっかりと記述しておきたいと思います。それは、愛媛県(例えば動物愛護センター)の保護動物についての取り組みはしっかりと地に足ついた物であると考えており、これを批判するわけではありません。

殺処分ゼロを達成したという自治体についても、実情はさまざまです。引き取った動物を右から左へボランティアやNPO団体に流すことでゼロ、あるいは​飼う資格も調査せず誰にでも渡すことでゼロ、そんな話自治体もあります。また、政治家が人気取りのために殺処分ゼロを公約に掲げ、自治体に無理を言う場合も多いと聞きます。

その点、愛媛県は、殺処分数が多い点については非常に残念ですが、関係者の皆様はしっかりとしたお仕事をされていると個人的に敬意を払っています。

しかしながら、この問題が早急に解決されるべきであることに変わりないことも事実です。

そこで、解決策を考えるにあたり「施設による引き取り数」と「住民への譲渡数」を調べたところ、前者については過去20年間に渡り下降傾向にあり改善が認められる一方で譲渡数に顕著な変化はありませんでした。

引き取り数の減少が年々継続しているこの結果については県民のモラルの向上や動物たちを大切に思う気持ちの表れとして非常に嬉しい結果です。今後は積極的に譲渡数の増加を図ることで、保護動物の殺処分ゼロを目指し、これが当然である愛媛県が訪れる日は近いと思われます。そのために重要になってくるのが譲渡数増加に向けた取り組みです。

人気の犬の種類

人気の猫の種類

​人気の犬・猫の種類は?
 

そこで潜在的な譲渡可能数を推測するために飼育率の高い(人気のある)猫の種類と、参考までに犬の場合を調べたところ、直近5年間のデータでは犬猫ともに、最も人気のある種類は雑種(ミックス)であるという結果が示されました。

私たちは調査の信頼性を増すために複数の調査元が提示した結果を比較しましたが、多少の差異は認められるものの雑種が最も高い人気を持つという結果は変わりませんでした。参考までに結果の一例を図に示します。

まず犬の場合は1位から5位まではあまり差は見られず、傾向としては小型犬の人気が高いというものでした。これは昨今の住宅事情や高齢でも飼いやすいという傾向を反映していると推察されます。つまり犬の場合は雑種が特に人気を獲得しているというよりは、小型犬人気が分散された結果、雑種が1位の座を得たと思われます。

次に猫の場合は、1位の雑種が約71%と特出して高い数値を示しました(上述の通り参考情報源により差異は認められます)。この結果は、ほとんどが雑種である保護猫の譲渡数増加の余地は大きいことを示唆するため、これも将来的な保護猫の譲渡数増加を望む場合、非常に期待の持てる結果です。

ここで、将来的な譲渡数増加の鍵となるのが、現在は猫を飼育していない、しかし本来猫を飼育したいが、それぞれの事情によって叶わないという潜在的飼育希望者の存在です。

 近年行われた内閣府の調査によると、猫を飼いたくても飼えない人々は多く、飼えない理由として、一人暮らしであり十分に世話ができない・賃貸物件であり家を傷める可能性があるため飼育を禁止されているという意見の他に、本人があるいは家族がアレルギーを持つといった、健康上の理由が多く見られました。猫アレルギーについては国民の約40%が保有し、その約25%が発症するという結果が示すように、猫を飼育する上では非常に大きな要因となり得ます。しかしこれらの結果をポジティブに捉えた場合、住宅と健康という2つの大きな問題を解決することができれば、飼いたくても飼えない層への保護猫の譲渡を大きく進めることができるということにつながります。

グリーンアイド猫

​私たちの提案

​専門家の声を聞きながら解決策を模索していきます

教育活動 

人の動物に対する対応は子供の頃からの教育や身の回りの動物たちの存在で大きく変わります。幼稚園・小学校などでの動物保護についての教育活動はごくごく基本的なことですが最も重要なことと捉えています。

マイクロチップの取り付け推進

動物が売買される場合はマイクロチップの取り付けが義務化されていますが、個人間の譲渡や保護動物についてはそうではありません。

マイクロチップは、何かのトラブルで、たまたま外出時に、また土地勘のない旅先で迷子になってしまった動物と、野良の動物を区別するために非常に重要です。皆さんの家族であるペットが間違いなく保護されるために、マイクロチップの取り付けを推進していきます。

ペット飼育可能マンションの増加に向けて

2022年の時点で松山市内の中古マンションのうちペット飼育可の割合は約21%でした(民間の賃貸物件情報サイト参照)。分譲マンションなどでペットの飼育を禁止する主な理由は、廊下やエレベータなど共用部分の汚れや騒音です。しかし、これは散歩を必要としマーキングの習性を持つ犬が主な対象となるようです。

基本的にマンションなどでのペットの飼育可否については居住者に決定権がありますが、元々ペットの飼育が禁止されている場合は個人の判断で飼うことはできず、マンションの住民総会などで管理規約を変更する必要があります。そこで、労力の必要な管理規約・細則の改訂を県がサポートすることで飼育可能マンションの増加を目指します。

 

猫アレルギーに対する対応 

近年、猫の体内で合成されるアレルゲン抑制ワクチンやエサが開発されたという報告が、スイスの企業や国内企業によって報告されました。しかしその製品化には多くの治験が必要となるなど課題もあり時間を要します。そこで治験に一部の保護猫を用いて開発に協力することで、治験期間は処分を留保することができます。さらにアレルゲンを持たない猫は県の管理する保護猫に限られるため、アレルギー保有者への譲渡の大幅な増加を見込むことができます。

 

県外への譲渡 

動物福祉の進んだ自治体では保護動物の引き取り数減少に伴い住民への譲渡数も減るため、新たに猫を飼育する機会が減ることから保護猫の需要は増加します。愛媛県の保護猫を岡山市など殺処分数が低い地域に限定し、観光ツアーを兼ねた譲渡会を催すことで互いの県の需要と供給を満たし、猫の殺処分数減少を試みます。

これらの活動については何よりも住民の皆さんの意識の変化が重要です。

皆さんのご理解をいただければ幸いです。

町の広場の灰色の子猫

​お問い合わせ

Follow me

  • Twitter

Click on the LOGO interest you.

7.jpg
bottom of page